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富国生命がAI導入で34人をリストラへ。
人材派遣業の先行きに暗雲か?

2017-02-02  /  ブックマーク はてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録

 論議を呼びそうなAIリストラ


 AIの開発と普及が急速に進む中で、生保大手の富国生命がAI導入で医療保険の給付金を査定する部署の人員を30%削減することがわかり、毎日新聞は昨年12月30日付の朝刊一面で報道した。

 同紙は「AIの普及は人の仕事を奪いかねず、今後議論を呼びそうだ」と注意を喚起している。人材ビジネス業界にとってもマイナスの影響が予想されている。
 
 毎日新聞の報道記事によると、文脈や単語を解読する日本IBMのAI「ワトソン」を使ったシステムを今年1月から導入した。医師の診断書などから、病歴や入院期間、手術といった入院給付金支払いなどに必要な情報をAIが自動的に読み取る。給付金額の算出のほか、契約内容に照らし合わせて支払い対象となる特約を見つけ出すことも可能で、支払い漏れの予防も期待できる。

 AIの査定対象となりそうな支払い請求は、2015年度に約13万2千件あったという。

 同社の査定関連部署には15年3月末時点で131人の職員が所属する。支払いの最終判断には従来通り専門スタッフが関わるが、診断書の読み込みなどの事務作業はAIで効率化できる。

 同社はすでに導入を見越した業務の見直しで段階的な人員削減に着手しているという。そして、5年程度の有期で雇用している職員47人を中心に、17年3月までに契約満了を迎える人の後任を補充しないことなどで、最終的に計34人を削減する。AIのコストはシステム導入に約2億円、保守管理に年1500万円程度(以上毎日新聞から抜粋)。

 AIがもたらす業界への影響


 富国生命以外の有力生保各社もAIのワトソンを導入し始めているが、人員削減までには至っていない。しかし、生保関係者は「時間の問題」と話している。また、生保業界のAI導入は損保業界にも波及するのは必至であり、今後企業の事務部門への波及も予想される。

 人材派遣業界ではユーザーサイドの事務効率化なので今のところ静観の姿勢だ。業界関係者によると、「AIは時代の流れと受け止めているが、事務の効率化に始まり、やがて、製造、技術、医療・福祉分野にまで拡大すると人材業界にとって痛打となるのは間違いない。でも、本当にそれで良いのか?ジョブを人間から奪ってしまうのは本末転倒の気がする」と話している。

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