何が起きても不思議はない人材派遣業界。
市場は間もなく臨界点に。
三浦 和夫[著]
/ 2007-02-20
/ ブックマーク
昨年末、人材ビジネス広報部会というサークルがあって、私も居酒屋に呼ばれて7,8人で飲食しました。ワイワイガヤガヤの席上、ある大手派遣会社の広報担当幹部が私に「来年はこの業界にとってどんな1年となるとお考えですか?」と訊ねました。
次のような会話が交わされました。
「そうですねえ、何が起きても不思議はない1年となるでしょうね」
「何が起きても?具体的にどうなるというのですか?」
「M&Aが活発化するのではないかな、ということです」
「それは以前からありますよ。どんなM&Aですか?」
「今までは、大が小を飲み込むというケースでしたが、それに限りません。livedoorとか村上ファンドの騒ぎの影響は大きいですね」
抽象的でまだるっこいので、例え話ですが、実名を挙げて解説しました。
「極端な話、年商3000億円超のスタッフサービスだって、売りに出す可能性はゼロではない、ということです。勝手な私の推論ですが」
「ええ!それって、有りですか?」
「十分有りです。そういう時代に突入するのではないかな、というのが私の予想です」
「M&Aに応じるかどうかは、トップの考え方次第です。トップの心理が今どのような状況にあるかが鍵です。50歳代以後の生き方、幸福の価値観が変化すれば売却の可能性はありますね。ただし、"好条件であれば"、の話ですが」
「もうちょっと詳しくお願いします」
「事業には勝ち負けがついて回ります。挑戦中は目標が明確なので『追い越せ』『追い抜け』と、エネルギーを結集しやすいのですが、トップの座を治めれば、一転して維持が大変です。再び追い抜かれると、求心力が低下してきます。競争ゲームはエネルギーを消耗させるのです。50歳代、なかんずく、半ばを過ぎると心理的負担感がものすごい。だから、何かあると、ふと、魔が囁くわけです」――。
「なるほどねえ。派遣事業も法制化されてもう20年以上ですものね。市場が爛熟していますからね」
「その通りです。市場は青天井ではないのです。かつては、そんなこと気にしないで拡大路線を突っ走ることが出来ましたが、あと2,3年で臨界点に達します。その後の展望を描くには、売買、合併などが業界現象となってくるでしょう」
「買う側は?」
「株式公開した企業、あるいは外資ですね。資金力があります。今でも水面下でエージェントが奔走しているに違いありません」。
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