人材派遣業界の盟主は誰なのか?
三浦 和夫[著]
/ 2006-04-13
/ ブックマーク
2006年3月24日-2008年1月31日にかけて公開していた月刊人材ビジネス編集主幹三浦和夫のブログ「正々堂々」の記事を転載したものです。
「人材派遣業界のリーダーはどの会社ですか?」と聞かれることが少なくありません。
売上高で言えば、トップはスタッフサービス、第2位はテンプスタッフ、3位はパソナ…と言えるのですが、リーダー(指導者)という意味では返答に窮してしまいます。
リーダーというよりはむしろ盟主と表現を変えたほうがいいかなあ。その盟主は不在だ、というのが私の正直の回答なのです。

アメリカの人材派遣業を参考に大きくしていこう、と参加した米国視察団(1997年6月、全米派遣協会前で)
皆さんもご承知のように、人材派遣業は、公式には、1986年(昭和61年)7月1日、労働者派遣法の施行によって誕生しました。法施行によって、数多くの企業が許可を取得してにわかに業界は賑わいを見せ始めました。概算ですが、今、約1万社が許可を取って事業をしているのではないでしょうか。
この業界の競争は激しいですね。シェア(share)の拡大と共に、取り合いも厳しい20年間でした。自由競争世界ですからそれはそれで大変結構なのでしょう。
しかし、そういう中で、盟主の顔が見えないというのはどう評価したらいいのでしょうか?語弊を許してもらえれば、それだけ歴史がまだ浅く、未熟の業界だと言えるかもしれませんね。
日本史に例えると戦国時代。未だ群雄割拠し、天下を治める盟主は誰なのか、誰も答えられません。
では、盟主の条件って何なのでしょうか?「盟主と仰ぐ」という表現があるように、周囲から仰がれる(orうやまわれる)対象でなければなりません。
自分だけが良ければ、というエゴイズムでは仰がれないでしょう。宮沢賢治は「世界全体が幸せにならないかぎり個人の幸せはありえない」と言っています。
その意味で、私は「業界全体の繁栄の中に自社の繁栄がある、という哲学をたもち、それを業界全体に影響を及ぼすことができる企業が盟主ではないか」と思っています。現実的には、事業規模も多少なりとも大きいことが必要条件です。
これは、事業をしていて何が幸せか、というところにも関係してまいります。ホリエモンは「時価総額だ」と豪語して粉飾までしていたようですが、はかなく散ってしまいました。
スピリチュアルの世界ではそういう人を「レベルの低い御霊(みたま)」というらしいです。
そろそろ、レベルの高い業界の盟主が誕生するのを心待ちにしているところです。
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